R2-1 全日本ロードレース選手権 ’99 GP125
with M PROJECT
レポート:山下久猛

ROUND 1 MINEサーキット

予選  今年から、メインライダーに昨年Jhaレーシングでランキング7位を獲得した岡田純一を迎えたチ下ームM'-PROJECT。新体制で心機一転、チャンピオン獲得に好スタートを切るべく、開幕戦の地・山口県セントラルパークMINEに乗り込んだ。  しかし、レースウイークは、金曜日の公式練習、土曜の公式予選と不安定な天候に翻弄されることとなり、有力選手が相次いで予選落ちの憂き目に会う、文字通り大荒れの展開となった。  さて、M'-PROJECTの新メインライダー・岡田純一はこの不安定な天候の中、2回の転倒を喫しながらもグループ4番手、総合7位と決勝に向けてまずまずの順位をキープした。  しかしやすやすとその順位をゲットできたわけではなかった。シーズンオフのテストでもニューマシンで満足に走り込めてなかったことに加え、金曜日からの悪天候でセッティングの煮詰めが思うように進められなかったのだ。さらにブリヂストン製のタイヤを使用しての初レースとあって、まずはタイヤの特性をつかむところからのスタートを余儀なくされた。よって悪天候に悩まされた公式練習では全くセッティングが詰められずに終わった。  公式予選では、1回目がやはり雨で、思うようにセッティングが進まず、さらに最終コーナーで転倒まで喫してしまう。2回目は雨は上がったものの、コースのいたる箇所にウエットパッチが残っている状態。しかし、ここでチームはひとつの賭けに出る。路面の乾燥スピードを計算に入れ、スリックタイヤでコースイン。この目論見は見事に的中し、岡田はグループ4番手となる1分35秒716の好タイムを記録。総合でも7番手をゲットした。しかも、タイムアタックをかけた最終ラップに転倒を喫しており、もし、この周を走り切れていればポールも夢ではなかった。  セッティング面での不安は多少残るものの、決勝への十分な手応えを感じられる予選結果となった。

決勝  完全ドライとなった決勝。スタート直前のフリー走行が、ドライセッティングでの初めての走行となった岡田だったが、やはりセッティングの方向がつかめず、満足なタイムは全く出せずじまいだった。しかし、なんとか、短い時間内で方向性を探り、あとは、文字通りの決勝一発勝負に賭けるしかないという状況だった。  そんな苦しい状況の中決勝スタート。岡田はまずまずのスタートを切り、7番手で1コーナーに進入。しかし、その後はセッティングの決まらないマシンではタイムを出せず、また、初タイヤのグリップ状態を探るということもあり、ペースダウン、序盤で15、16位くらいまで順位を落とす。 しかし、タイヤのグリップが上がってきた中盤以降はこれまでのうっぷんを晴らすが如くの激しい追い上げを見せ、ぐいぐいと順位を上げていく。  レース展開は、トップ3台が後続を大きく引き離してバトルを展開しつつ走行、それに5台からなる第2集団が追走、第3集団はこれにやはり大きく遅れて5〜6台での集団を形成しつつ走行している状況。岡田は15ラップ目あたりにこの9位争いを展開していた第3集団追い付き、激しいバトルを展開した。しかし、不完全なセッティングに加え、トップスピードでも他車に劣る岡田車は、最終ラップに4台に抜かれ、健闘空しく13位でのフィニッシュとなった。しかし、ストレスの溜まる苦しい状況でも熱くなり過ぎず、きっちりポイント獲得という当初の目標を果せたことに、チーム、ライダーとも一応の満足感を得ていた。

予選総合
7位
決勝結果
13位